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ssです。

4月2日の発売日を間近に控え、
公式サイトでは書店員さんたちの推薦コメントをいただいたりと、
ますます盛り上がる『クロックワーク・プラネット』。

公式サイトでは1章までの立ち読みを公開しておりますが、
今日はそこでは見られない部分を、
なんとアイコン立ち読みにして公開ですよー!



★『クロックワーク・プラネット』アイコン立ち読み――――


リューズアイコン(小)「一人だけ、お二人の期待に添える方がおられるかもしれません」

マリーアイコン(小)「っ! それは誰っ!?」

 跳ねるような動きでマリーが食いついてくる。
 二人の視線を受けて、リューズはゆっくりと。
 左手に座って呆然としている少年を指し示すと、軽やかな声で告げた。

リューズアイコン(小)「ナオトさまです」

マリーアイコン(小)「――は?」

ナオトアイコン(小)「え?」

 突然話を振られたナオトが慌てて自分を指さす。
 リューズはそれに頷きを返すと、マリーに向かって言った。

リューズアイコン(小)「お話を聞く限り、わたしを修理できたナオトさまならこの都市を救うことが可能かと」

マリーアイコン(小)「ちょっと待って――あなたを直した!?」

 愕然としてマリーが叫んだ。 

マリーアイコン(小)「何言ってるのよ! あなたはどこも壊れてなかった!」

 壊れていないのに動かないから謎の自動人形【オートマタ】だったはずだ。

リューズアイコン(小)「それはあなた方が、ナオトさま以下の無能だっただけで」

ナオトアイコン(小)「あー、さらっと俺も無能呼ばわりされるのね。いいけどさ」

 小さくぼやくナオトを無視して、マリーが怒声を上げる。

マリーアイコン(小)「む、無能ですって……!? 代々絶えず何百人もの第一級時計技師【マイスター】を輩出してきたブレゲ家を、そこのそれ以下だとでも言うの!?」

 リューズは嘲るように唇を歪めた。
 ナオトに向けるものとは違う、明らかな怒りを含んだ笑みで続ける。

リューズアイコン(小)「――はい。あなたのそのご大層な一族さまがノミの脳なりに知恵を振り絞って二〇〇年発見すらできなかったわたしの異常を“そこのそれ”は直したのです――三時間で」

 あまりにもさらっと言われたので、マリーは一瞬、思考が止まった。
 その茫然自失とした体で、ナオトを指さし尋ねる。 

マリーアイコン(小)「……こ、この冴えないのが?」

 リューズが無言でスカートをつまんだ。マリーは慌てて首を振り、悲鳴のように叫んだ。

マリーアイコン(小)「わ、わかったわよ撤回するわよ! ……いや、でも確かにリューズは動いてるけど……なんでそんな技師が市井に埋もれてんのよ……?」

 ぶつぶつとつぶやきながら、マリーはどさりと椅子に倒れ込んだ。
 一方、突如として指名されたナオトが冷や汗を流しながらリューズに言う。

ナオトアイコン(小)「いやーあの、リューズさん? ヨイショしてくれんのはすげーありがたいけど、さすがに第一級時計技師【マイスター】サマが一〇〇人がかりで無理だってものを俺にどうにか――」

リューズアイコン(小)「できます」

 リューズは断言した。

リューズアイコン(小)「わたしを直せたナオトさまは、疑う余地なく――現在の人類最高の技師です」

ナオトアイコン(小)「いやリューズにそう言われるのは光栄なんだけど……でも」

 ――無理だ。
 できるわけがない。そもそも俺はまだ見習いですらないド素人だぞ?
 否定の言葉はすぐにナオトの脳裏に浮かんだが、リューズのあまりにも真剣な顔を見るとそれを口にすることはできなかった。
 悩み、迷い、それでも何か答えなければ、と口を開こうとした、その時。

ナオトアイコン(小)「――――ッ!!」

 かつてない規模と衝撃で、都市が激しく震えた。
――――――――――



リューズさんの鋭い舌鋒や、
最後の引きなど、気になる要素がいっぱいですね!


4月2日の発売日までもう少し!
特典情報などあらためてチェックしつつ、
楽しみにお待ちくださいませ!
どうぞよろしくお願いいたします!



クロックワーク・プラネット1 (講談社ラノベ文庫)クロックワーク・プラネット1 (講談社ラノベ文庫)
(2013/04/02)
榎宮 祐、暇奈 椿 他

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